富士山の標高3,100m辺りには、8合目救護所という日本一高い診療所があります。昨シーズンそこでは400人以上の方が診察を受け、その内の6割以上の方が高山病の症状を訴えていたそうです。【参考】YBS山梨
富士登山で具合が悪くなる人のほとんどが高山病なんです。作年の富士登山者は30万人を超えているので、その割合から比べると少ない思うかもしれませんが、診療を受けるほどでもない、軽度の高山病を発症している方はすごい人数だと思います。実際に登山してみると、具合の悪い方を見かけたり、嘔吐の痕跡を発見してしまうことでしょう。
高山病は標高2,400m以上の高地で発症しやすい病気のため、普段の生活では体験することがないものです。どんな症状になるかというと、頭痛がひどく、食欲がなくなったり、酷くなると吐き気もしてきます。もし掛かってしまった場合にはすぐに下山をし、安静にしていれば症状は改善されるはずです。
高山病に掛からないようにする予防策
その標高に慣れるまであまり激しく動いたりしないこと
この2つは特に高山病予防にはよく言われてることです。体をならすことが一番重要で、5合目~8合目の山小屋などで一泊してから登頂を目指すと、高山病の発症リスクを軽減することができます。不眠のまま登頂を目指すのを「弾丸登山」と言いますが、一泊した人と比べると登頂率が悪くなるというのもうなずけます。
これは余談ですが、富士山の世界文化遺産登録により注目が集まっているため、富士山関係各位が弾丸登山の自粛を促しているため、前年度よりも20%ほど軽減しているようです。
水分をこまめに取る
それと水分補給も重要。富士登山では山小屋にしかトイレがない尿意を催さないように水分を取りたくないというのと、荷物をなるべく軽量化したいために、十分な水分を持って行かないという傾向になりがちです。あまり水分を飲まずに汗を掻き続けてしまうと、身体が脱水傾向になってしまいます。
水分補給は一気に飲むのではなく、少量ずつこまめに摂取するほうが良いそうです。体重50kgの人で1時間250ml必要とされるので、6時間の登山では1.5Lも必要。下山のことも考えると2Lは持って行きたい所です。
お金があれば山小屋で購入することも可能です。無事登頂したとしても下山道では山小屋が少ないので、山頂についた時に水分がないときには購入しておくのをおすすめします。天気がよいときには日差しが強いので熱中症にも注意です。
高山病に掛かりそうなときの対応策
無理せずに下山をする
頭が痛くなってきたら要注意!高山病の予兆です。そのまま登って行って更に症状が悪化してしまった場合、下山する距離も長くなるので早めに決断をするのが一番良いかもしれません。
こまめに休む
調子が悪くなりそうな予感がしたら、しっかり休むのも重要。呼吸が落ち着くまで深呼吸をして落ち着きましょう。汗を掻いている時には体が冷えてしまうので、防寒対策は十分に
ゆっくり登る
こんな速度でいいの?というぐらいゆっくり登って行くことが良いです。また、階段のような段差がある所では、なるべく高低差の低い所を選んで登るほうが良いです。高い段差を踏ん張って登るよりも遠回りしたほうが負担は少なくなります。
呼吸の仕方を意識する
標高が高い所では酸素が薄くなるというので、摂取量が減るというのは当然のことです。さらに気圧が下がってしまうので、肺から酸素を十分に取り込むことができなくなってしまうというのが一番の原因かも知れません。有圧呼吸法で自ら圧力をかけてあげて酸素を取り込みやすくする方法を覚えておくのも良いでしょう。
有圧呼吸法とは大きく息を吸い込み、2秒ほど呼吸を止めるとともに、胸に圧力をかけるように力を入れた後、ゆっくり口から吸い込んだ空気を出す。これを5ー6回繰り返すと、血中の酸素濃度が上がり、楽になります。
via: 呼吸法
初心者が安全に登るには
登山初心者の方でも、5合目で1泊、8合目で1泊と、2泊してゆっくり登ると安全に登れると、TBSの「ひるおび」で紹介されていました。混みあう山頂で御来光を見るのではなく、8合目からでも同じ景色をが見れるので、ゆっくり御来光を見てから山頂を目指すというのがおすすめだそうです。
吉田ルート(河口湖口)富士スバルラインの5合目では、すでに2300m以上もあるで、空気が薄いというのを感じる事ができるかと思います。駐車場から売店に歩いて行くだけでも息切れする方は要注意!ゆっくりペースの登山を心がけて行きましょう♪
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